年末も近づき、大掃除のシーズンですね。
この時期になると、研究室やお部屋ごとに各自都合のよいタイミングで
大掃除をするところもちょっとずつ増えてきます。
貸し出し用の道具や機械は今ならまだ待たずに借りられるみたいですよ。
今までの感覚からいくと、クリスマスの週(12/21~)には
このグッズもみんなどこかに出払って
このスペースが常にこざっぱりした状態になることでしょう。
さて、今日はそんなお掃除から派生したお話です。
退職される先生の実験室のお片付けで、こんなものが出てきたそうです。
ご覧のとおり、そろばんなのですが…
よく見ると
これ、下の珠が5つあるんです。
わたしたちが「普通のそろばん」として認識しているそろばんって、
5として数える上の珠が1つ、1として数える下の珠が4つあって、
1ケタで数えられるのは9までですよね。
いっぽうこちらは5の珠が1つに1の珠は5つあるので
1ケタで10まで数えられます。
日本珠算連盟のHPによると、
「昭和10年(1935年)になって、小学校の教科書(緑表紙)の改訂で、一玉が4つ、四けた区切りの定位点がついたそろばんがよいと指示され普及しだしました。」
とのことなので、これ(1935年)よりも前からこの世に存在していた可能性を匂わせつつ、
裏側を見ると
「農機」の文字が。
岩手大学農学部の歴史(http://news7a1.atm.iwate-u.ac.jp/introduction/history.html)をたどると
「1967(昭和42年)4月・農業機械学科を増設」
とあるので、もしかしてこれ以降のものなのかな?とも考えられます。
どちらかというとこちらの説(1967年以降)のほうが私は有力そうな気がしています。
というのも、汚れや傷などかなり少なく、とてもきれいなんですよね…。
保存状態がとても良かった可能性もありますが…。
時代ごとの詳細な学科や課程の編成がわかれば、
もうちょっと手がかりが見えてきそうな気もしますね。
「そこまで古くはなさそう」とはいえ、1967年とてもう53年も前のこと。
(今まで70うん年前だとか、もしかして100年前?なものと出会ったこともあり
ちょっと感覚がマヒしちゃっていますね)
令和の今だからこそ、とっさの計算にそろばんをはじく、なんてこともほぼなく、
スマホをさっと取り出して電卓アプリを起動する方が多いと思います。
当時はパソコンどころか電卓さえも相当に高価&大型だった時代。
そんな時代が存在していたことすら今となっては信じられないくらいですね。
そしてそんな時代に一番活躍していたであろうそろばん。
古さや年数だけじゃない、学内でたくさん役に立ってきたであろう当時の活躍に
頭が下がる思いです。
以前も旧エキスで何度かお目にかかっては見送ってきたレトロな品々。
「盛岡高等農林学校」のラベルが貼られた計測器具に、
「女子師範学校」の文字が刻まれた一枚板の机などなどありましたが
まだまだ探せばいろいろなところにこういう品が眠っているかもしれませんね。