花が咲かない幸せもある

今日は、本学が開発に携わっている、野菜の品種の話題です。

先日、大学公式HPからもお知らせがありました。

よろしければ、↓是非ご覧になってみてください。

世界最高峰の晩抽性を持つハクサイ新品種「いとさい1号」―生産コストや環境負荷を低減し、安定生産を実現―

「花が咲く」という言葉。

何かを達成したり、よい結果を出したり、
慣用句としてはポジティブな意味合いを持つことが多いですよね。

でも葉根菜類、葉っぱや根を育てて食べるタイプの野菜界隈では
「品質が落ちる」「商品価値がなくなる」
というネガティブな要素を連想させる言葉だったりします。

(花が咲くと葉や茎は硬く筋張って味が落ちるし、根もあまり大きくなれません)

特にキャベツ・ハクサイ・ダイコンの畑で菜の花が綺麗に咲いていると
「あちゃー…」と頭を抱えてしまったり。

(どれもアブラナ科なので、菜の花のような花が咲きます)

花が咲きにくい、花が作られるスイッチが入りにくい、
そんな性質を「晩抽性」と呼ぶのですが、
その「晩抽性」の中でもたぶん世界一、というのが
この「いとさい1号」と名付けられたハクサイなのだそうです。

(ちなみに「いとさい」に言葉としての意味はなく、
関係機関にまつわる頭文字等を集めたもの、とのことです)

(でも「しおさい」みたいな響きがわたしは好きです)

そんな「いとさい1号」の様子、
先日、少しだけ拝見したのですが

たしかに、左側に植えられているハクサイの苗は
みんな菜の花が満開。
いとさい1号の方は、野菜としておなじみのハクサイらしい姿を保っています。

ハクサイとしての育てやすさはもちろんですが、それにともない
「加温や保温が不要になり、生産コストや環境負荷を低減」
とのことなので、SDGsの面からもとっても頼もしい品種「いとさい1号」。

いつか商品として店頭に並び、
わたしたちの食卓を彩ってくれる日が楽しみです。